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朱塗宝尽し蒔絵椀

祇園祭と鱧 鱧の葛叩き椀のレシピ

祇園祭と(はも)

毎年7月1日に始まり、丸1か月間続く祇園祭はご承知の通り日本三大祭りであります。中でも、17日と24日の御神輿の渡御(とぎょ)山鉾(やまほこ)巡行で最高潮を迎えます。

例年、気温は35度を超え、蒸し暑い京の夏を乗り越えることは、千年来、京都人にとり一番の難事でございました。海から遠く離れた都では、新鮮な海産物が乏しく、特に酷暑の夏、唯一生のまま届けられたのが鱧でございます。

この貴重なたんぱく源である鱧を京都人は殊の外、珍重いたしました。しかしながら小骨が多く、実に扱いづらいものでありました。そこで、鱧の骨切りという特殊技術が生まれました。細かく骨切りされた鱧は淡雪のように白く、淡白ながらも上品な旨味に溢れ、夏の京都を代表する「うまいもの」の第一であります。

美食家で知られた谷崎潤一郎先生も一番の好物でございました。

鱧の葛叩き椀

材料(4人分)

鱧 …… 1尾(約500g)
ごぼう(茹でる) …… 1本
モロッコいんげん(茹でる) …… 1本
昆布 …… 20㎝長さ1枚
出汁 …… 3カップ
塩、葛粉、酒、薄口醬油
青柚子皮

作り方

  1. 鱧は骨切りする(a)。皮肌にまで切れ目が届いているが、皮は切れていないという状態にする。10㎝程の長さに切る。
  2. 鍋に水と昆布を入れ温め、塩をたっぷり加え、海水程度に塩をきかせる。
  3. 1の鱧に少量の塩を振り、たっぷりの葛粉の中でまぶして、葛粉を優しく叩き込むように、充分につける(b、c)。
  4. 鱧は皮を内側にして軽く巻いて、2の湯の中へ落とす(d)。鍋の湯が噴きこぼれないように、途中でお湯を足す。
    湯の温度は90 度位でゆっくりと茹でます。鱧が葛饅頭のように開いてきます(写真上段)。
  5. 鍋に、出汁を入れ、酒小さじ4、薄口醬油小さじ2、塩小さじ1/2を加え、味見をして薄口醬油で味を調える。
  6. 4の鱧が茹で上がったら、すくい上げ、お椀に盛る。茹でて4cm長さに切ったごぼうとモロッコいんげんを添え(e)、5の出汁を注ぎ、青柚子をのせ、香りを添える。
塩茹でして、葛饅頭のように開いてきた鱧。身に充分火が通って旨味が引き出され、葛粉が柔らかくなったら、椀盛りにする。
(a)鱧は骨切りをして10㎝程度に切る。この工程用にプロ専用の鱧切り包丁がある。
(b)骨切りした鱧に葛粉をつける。盆など平らな器に葛粉を広げて作業をするとよい。
(c)鱧の切り目にも粉をまぶしたいので、手で叩き込むようにする。
(d)鱧は皮を内側にして軽く巻いたら、海水ほどの塩分濃度の煮立ったお湯に落とす。
(e)椀に鱧を盛り、ごぼう、モロッコいんげんを添え、吸地を注ぎ、青柚子を添える。

*この記事の内容は、京都の名割烹「浜作」三代目が主宰、3万人が通った料理教室のレシピ本『京ぎをん浜作料理教室 四季の御献立』(著者:森川裕之)に掲載されています。

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