ここからしか見えない京都
  

不世出の女流画家、上村松園の人生にせまる

明治時代の京都画壇には今も名を残す美人画の巨匠、上村松園がいた。幼少期から絵に親しみ、第3回内国勧業博覧会に出品した「四季美人図」が一等褒状を受賞。さらに英国の皇太子が購入したことで一躍、天才少女として注目を集めることになった。松園、わずか15歳のことだ。以来、数々の賞を受賞。74歳で亡くなるまでストイックに描き続けた稀代の女流画家、松園のゆかりの地を訪ねてみたい。

自らが追い求める美人画をストイックに描き続けた上村松園

京都府画学校時代から師と仰いだ鈴木松年が眠るのは、円山公園近くの長楽寺だ。境内の墓所には硯をかたどった松年の墓や、その傍らには妻、息子の墓がたたずむ。ちなみに長楽寺は安徳天皇の母、建礼門院が出家した寺で「安徳天皇御衣幡」や「建礼門院御影」など、平家ゆかりの品々が宝物館に収蔵されている。

松園が最後に師事したのが、横山大観と並び称された日本画の大家、竹内栖(たけうちせい)(ほう)だった。東山のシンボル、八坂の塔のふもとにあるのが栖鳳の邸宅跡。現在はリノベーションされ、かつての趣きを残しつつ、レストランとして活用されている。

そして松園の作品をじっくり鑑賞できるのが、京都市京セラ美術館だ。

1933年開館の大礼記念京都美術館の姿を残しつつ、2020年にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館

京都市美術館からリニューアルして1年、その記念展として9月上旬まで「上村松園」を開催している。美術館では初期の「人生の花」、絶筆となった「初夏の夕」などを所蔵。これに加え、全国の美術館や所蔵家が収蔵する松園の作品を一堂に集め、その画業の全貌にせまる。

画学校時代、松園は見たもの、記憶したものを縮図帳に写生して画力を磨いた

明治から昭和を駆け抜けた不世出の女流画家、上村松園。その数奇な人生を垣間見ることができるに違いない。

【放送時間】
京都浪漫 悠久の物語
「京都が生んだ美人画の巨匠・上村松園」
2021年8月23日(月) よる8時~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

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