ここからしか見えない京都
  
撮影:中田昭

京都の秋を実感する紅葉の名刹

木枯らしが吹き始める11月半ばにもなると、京都に本格的な紅葉シーズンが到来する。雅趣あふれる寺院を覆うように、赤く染まったモミジやカエデが風景に彩りを添え、まさにしっとりとした“京都の秋”に出合える。

1965年の歌謡曲「女ひとり」で一躍有名になった三千院は、京都を代表する紅葉スポット。平安後期以降、天皇の子息や息女、皇族などが住職を務めた門跡寺院で、御所を模した宸殿(しんでん)や、京都の有名画家らが描いた襖絵を展示する客殿など、境内には格式の高さを物語る荘厳な建物が建つ。三千院には宸殿前に広がる池泉回遊式庭園の「有清園」と、江戸時代の茶人、金森宗和が修築したといわれる客殿前の池泉観賞式庭園「聚碧園」の2つの庭園がある。「有清園」散策の際に、ぜひとも探してほしいのが6体の「わらべ地蔵」。苔と一体となってつい見落としそうだが、そのかわいらしい表情にほっこりと癒されるはずだ。

三千院の御殿門は城郭を思わせるような堅牢な石組みが特徴

左京区の実相院もまた格式高い門跡寺院だ。()(しゅう)法親王が門跡になった江戸時代中期には、京都大宮御所の一部が下賜(かし)され、正面の門や玄関横の車寄せ、客殿が門跡らしい風格をそなえている。庭園は書院と客殿の間にある山水庭園と、比叡の山々を借景にした石庭とそれぞれ趣きの異なる2つ。客殿の「滝の間」の磨きこまれた床板に、庭の紅葉が映り込む「床もみじ」は実相院の風物詩となっている。

実相院の客殿「滝の間」から見た庭園。紅葉で真っ赤に染まると圧巻の景色に 撮影:中田昭

古くから「もみじ寺」として親しまれるのが長岡京市にある光明寺だ。浄土宗を開宗した法然上人開基の寺で、境内には真っ赤に染まったモミジのトンネルを散策できる「もみじ参道」がある。最近SNSで話題になっているのが御影堂の接ぎ木。偶然ハートマークになった接ぎ木を見つけると、恋愛成就のご利益があるそうなので、ぜひトライを。

光明寺の「紅葉の特別入山」(12月5日まで)では貴重な襖絵や秘仏も公開される

【放送時間】
京都浪漫 悠久の物語
「紅葉の名所~三千院・実相院・光明寺~」
2021年11月22日(月) よる8時~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

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