ここからしか見えない京都
  
向日市の「竹の径」を歩く常盤さん。古墳の形を表現した「古墳垣」や、かぐや姫の十二単衣の襟元をイメージした「かぐや垣」など、8種類の竹垣も見もの ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

食から工芸品まで。京都に欠かせない竹

タケノコ三昧の会席料理を堪能

京都市に隣接する乙訓(おとくに)地方をご存じでしょうか。向日(むこう)市、長岡京市、大山崎町の二市一町からなり、一帯には竹林が多く、「竹取物語」発祥の地ともいわれています。平安の昔から利用されてきた竹は「京銘竹」と呼ばれ、京都の人々の暮らしを彩っています。そして春の味覚に欠かせないタケノコ……。常盤貴子さんが京都ならではの竹の魅力に迫ります。

洛西・大原野の地に150年以上もの間、多くの著名人や文化人に愛されてきたタケノコ料理の店「うお嘉」があります。タケノコは近くの農家さんと契約し、収穫時期は毎朝採れたてが到着。表面が白い“白子”は、陽に当たっていないため、えぐ味が少ないのが特徴です。朝採れの新鮮なタケノコを先付、椀物、刺身、鏡煮、焼き物、タケノコご飯など、多彩に調理した会席料理で提供。短い期間だけ楽しめる春の味覚を存分に堪能できます。

えぐ味が少ない白いタケノコ、白子を使った「うお嘉」の「鏡煮」。朝採れたばかりの新鮮な味を多彩な料理で満喫できる ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

上京区にある「横山竹材店」は、京都の寺院で目にする竹垣や縁台、椅子などの和風建材、そして茶道具や照明器具、小物入れなどの竹工芸品を製造販売する老舗です。5代目の横山裕樹さんによれば、竹の種類は世界で約1000種、そのうちおよそ500種は日本で生育しているそう。京都の「京銘竹」は火であぶり、そのたびに油をふき取る作業をします。さらに2週間ほど乾燥させてから加工を行うため、1日に15本ほど作るのが精いっぱい。この手間暇によって、丈夫で艶やかな竹材ができあがります。こちらのショールームでは竹カゴ製作体験を行っていますので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。

横山竹材店には数十種類の竹を用意、都度用途に合わせて使用する竹を選ぶという。鷹峯の光悦寺の光悦垣、建仁寺の建仁寺垣などに使われたのと同じ竹も ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

匠が作り出す竹カゴと旬のフレンチ

京都市の北西部。織物の街として栄えた西陣に竹細工の「竹工房 喜節」があります。京銘竹は建材やインテリアだけでなく、いまやファッションの世界でも注目されています。竹工房 喜節では、厳選した真竹を細く割り、薄くへいで、面取り、裏すき、編みなど、いくつもの工程を経て丹念に竹籠を作っています。竹を約0.2ミリまで薄くして編み上げるため、とても軽いのが特徴。使い込むほどに艶が増し、経年変化が楽しめるのも魅力です。ちなみにクラッチバッグは、オーダーから納品まで数カ月待ちの人気商品なのだとか。

関東生まれの細川秀章さんは、30歳を過ぎてから竹に魅せられ、京都で「竹工房 喜節」を開設。国内外で作品を発表し、京都府の若手職人「京もの認定工芸士」や、京都市の「未来の名匠」に認定されている ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

大原野の街道にたたずむ「レストラン スポンタネ」は、主に自家栽培の京野菜を使ったフレンチが楽しめる店。京都らしい落ち着いた日本家屋は、もとは庄屋さんだったとか。オーナーシェフの谷岡博之さんは、名だたるレストランやホテルでシェフを務めたフレンチのオーソリティー。スポンタネはフランス語で「やさしい」とか「ありのままに」を意味し、自家栽培の旬の野菜をふんだんに使用したメニューを提供しています。春はもちろんタケノコも。魚や肉がメインのフレンチですが、谷岡シェフは旬の野菜の味を確かめ、その野菜の味に合う肉や魚を選んでいます。つまり、野菜と肉や魚は対等という関係に。タケノコのシーズンに、わざわざ遠方から訪れる客が多いのも納得の味わいです。

自家栽培の旬の食材を使ったフレンチを提供する「レストラン スポンタネ」。タケノコと肉を合わせたメニューは、この時期ならでは ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

【次回放送情報】
■京都画報 第20回「京文化の名脇役“竹”の魅力 -たけのこグルメから工芸まで-」
BS11にて5月10日(水)よる8時00分~8時54分放送

※ 放送後、BS11+にて5月14日(日)正午~ 2週間限定で見逃し配信いたします。

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