ここからしか見えない京都
  
©KBS京都/TOKYO MX/BS11

復活2年目の鷹山が装い新たに後祭を巡行

今年は御神体の衣装を新調

全国的にも知られる京都の風物詩・祇園祭。祭の無事を祈願する7月1日の「吉符入り」から始まり、31日の「疫神社夏越祭」までの1カ月間、さまざまな神事や行事が執り行われます。祭の中心は山鉾巡行。 23基が巡行する前祭(さきまつり)は毎年7月17日、そして11基が巡行する後祭(あとまつり)は1週間後の24日に行われます。後祭は、前祭に比べ参加する山鉾の数が少ないためか、落ち着いた雰囲気です。今年の見どころは長い休止期間を経て、昨年196年ぶりに復活を遂げた「鷹山」。応仁の乱以前から巡行していた由緒ある山で、鉾と同じく大きな車輪があり、曳き手が綱を曳いて動かす「曳山(ひきやま)」といわれる形です。さらに今年は鷹山に乗せる3体の御神体の衣装が新調されました。手掛けたのは京都・西陣で能衣装を専門に制作する老舗、佐々木能衣装。保存会が保有していた江戸時代の絵図をもとに試行錯誤を重ね、1年かけて制作しました。

文政年間に風雨で大破して以来、巡行を取りやめていた鷹山。2014年に囃子方、2015年に鷹山保存会が設立され、昨年ついに復活した ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

鷹山独自の力強いお囃子が完成

三条新町には、鷹山とゆかりの深い寿司店があります。「すし善」はミシュラン・ビブグルマンにも選出され、外国人観光客にも人気の店。名物の「ちらし」は、器の表面を覆った錦糸玉子の下から、宝石のような海の幸が現れる海鮮ちらし寿司。三代目店主・西村健吾さんは、寿司職人として腕を振るう一方、実は鷹山の囃子方(はやしかた)代表を務めています。もとは北観音山の囃子方として活躍していましたが、勉強会などに参加し、有志で囃子方を結成。北観音山のお囃子をベースに、鷹山独自のお囃子づくりに乗り出しました。

すし善のちらし。ふわふわの錦糸玉子が一面を覆い、めくるとみずみずしい海鮮が現れる ©KBS京都/TOKYO MX/BS11
代表として鷹山の囃子方をけん引する西村さん。鷹山独自のお囃子を創作し、現代によみがえらせた立役者だ ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

7月21日から23日に行われた後祭の宵山では、「コンチキチン」と山鉾のお囃子が鳴り渡ります。ここにも、もちろん西村さんの姿が……。祭のハイライト、山鉾巡行では前祭とは逆のルートを、およそ3時間かけて巡行。山鉾は四条新町の交差点で最後の辻回しを行い、それぞれの町内へと戻ります。

鷹狩をモチーフにしている鷹山の御神体。キジは巡行復帰のために新しく作られた ©KBS京都/TOKYO MX/BS11
各山鉾町の祇園囃子が、夜の街に響く。前祭に比べ、後祭の宵山はしっとりとした雰囲気が漂う ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

【次回放送情報】
■京都画報 第23回「祇園祭・後祭を極める -祭を支える心と技-」
BS11にて8月9日(水)よる8時00分~8時54分放送

※ 放送後、BS11+にて8月15日(火)よる9時~ 2週間限定で見逃し配信いたします。

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