ここからしか見えない京都
  

秋の南禅寺・永観堂エリアの魅力に迫る 前編

いよいよ紅葉の見頃シーズンに突入した京都。京都には紅葉名所が点在し、「どこに行こうか迷ってしまう・・・」という方も多いことでしょう。
南禅寺・永観堂エリアは、京都駅からもアクセスが容易で、紅葉名所も密集し、“京都初心者”にもおすすめのエリア。前編では紅葉名所の数々を、後編では“京都と水”の関係に注目しながら、このエリアの楽しみ方をご紹介しましょう。

南禅寺三門

まず足を運びたいのがこちらのお寺。臨済宗大本山の南禅寺へは、京都駅からは市バスや地下鉄でアクセス可能ですが、観光シーズンともなれば、交通渋滞にあうことのない地下鉄での移動が断然オススメです。烏丸線から東西線に乗り換えて、最寄り駅となる「蹴上駅」に向かいましょう。スムーズにいけば、京都駅からは20分ほどの移動時間となります。
歌舞伎「楼門五三桐」の演目の中で、石川五右衛門が、三門の上から桜を見渡して、「絶景かな、絶景かな」と大見得をきったことでも知られますが、境内一円が錦に染まり、秋もまた、絶景かな、絶景かな。

南禅寺水路閣

厳めしい雰囲気の禅寺にあって異彩を放つのが水路閣。琵琶湖の水を京都市に引き込むために造られた「琵琶湖疏水」の一部を成す水路橋です。橋の上を覗けば今も勢いよく流れゆく水。琵琶湖疏水の誕生は、京都の近代化を推し進めただけでなく、南禅寺・永観堂界隈や平安神宮が鎮座する岡崎エリアの景観にも大きな影響を与えることに。そのお話は後編でご紹介します。

天授庵

南禅寺の境内には10を超える塔頭(たっちゅう)寺院がありますが、その大半は門を閉ざされ拝観することができません。そんな中、三門横に佇む天授庵は、枯山水と池泉回遊式の2つの異なる趣向のお庭を楽しむことができ、殊に紅葉に染まる秋は大勢の拝観者で境内が賑わいます。

南禅院

水路閣のそばに佇むのが、南禅寺発祥の地とされる南禅院。自らの離宮で出家し、法皇となった亀山天皇は、離宮を禅寺に改めることに。その離宮の跡地に立つのが南禅院であり、法皇自らが作庭に携わったとも伝わるお庭は緑とモミジのコントラストがお見事。あえて晩秋の雨の後に訪れるのも一興です。

※2023年12月より拝観を停止します

最勝院

南禅院を出たら、南禅寺境内の最奥へも足を運んでみましょう。緩やかな坂を進めば、見事なモミジの参道が。ちょっと足を延ばした人だけが出会える、“ご褒美”ともいえる紅葉風景です。

永観堂

最後にご紹介するのは、南禅寺から北へ歩いて5分ほど、京都屈指の紅葉名所として誉れ高い永観堂です。境内に植わるモミジは3,000本とも言われ、筆舌に尽くしがたい美しさ。つい何度も何度も足を止めて、錦秋の絶景に見入ってしまいます。
紅葉の時季にあわせ開催されるのが、恒例行事とも言える寺宝展。今秋は、長谷川等伯による襖絵や豊臣秀吉、徳川家康ら縁の寺宝が公開。モミジだけでなく、貴重な文化財にも出会えるのが、京都旅の贅沢なポイントかもしれません。

今回は南禅寺・永観堂エリアの紅葉名所をお届けしましたが、次回は“水”に注目しながら、このエリアの更なる魅力に迫りたいと思います。

あなたのご自宅が、“京都の特等席”に!
BS11では、来たる11月29日(水)に、秋色に染まる京都より生放送をお届け。京都に訪れても見ることが叶わない夜の東本願寺、東福寺光明院、東福寺勝林寺から、特別な紅葉風景をお届けします。まさに皆さまのご自宅が、“京都の特等席”となる贅沢な2時間を、どうぞお楽しみに!

【放送日時】
京都紅葉生中継2023~秋を彩る食物語~
11月29日(水)よる7時00分~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

【ゲスト】常盤貴子(俳優・京都府文化観光大使)、蜷川べに(和楽器バンド 津軽三味線)
【司会】遠藤奈美(KBS京都アナウンサー)
【解説】井上章一(国際日本文化研究センター所長)

制作著作:KBS京都 / BS11

この記事を書いた人
京都の特等席 編集部

タグ一覧

#人気ワード