ここからしか見えない京都
  
清凉寺の阿弥陀三尊。両脇侍の菩薩は大日如来のような宝冠が特徴的だ

多様で貴重な阿弥陀如来像に出合う

阿弥陀如来を礼拝し、極楽往生を願う阿弥陀信仰。国宝に指定されている阿弥陀如来像は13件あり、うち8件が京都の寺院に安置されている。

皇族が代々の住職を務めてきた仁和寺の霊宝館には、国宝の阿弥陀三尊像が安置されている。阿弥陀如来坐像は仁和寺創建時の本尊で、戦乱や火災を乗り越え1135年もの間、護られてきた。腹前で定印を結ぶものとしては、日本に現存する最古の阿弥陀像だといわれる。脇侍の勢至菩薩立像(せいしぼさつりゅうぞう)、観音菩薩立像とともに、9月23日から催される「秋季名宝展」で公開される。さらに今年は弘法大師空海の誕生1250年を記念し、ゆかりの寺宝も公開される予定だ。

仁和寺の阿弥陀三尊像。阿弥陀如来の造形は、和様彫刻の出発点といわれる

『源氏物語』ゆかりの寺として知られる清凉寺は、光源氏のモデルといわれる嵯峨天皇の皇子・源融(みなもとのとおる)の山荘「棲霞観(せいかかん)」を、後に「棲霞寺」としたのが前身と伝わる。国宝の阿弥陀三尊像は融が生前に造立発願したもので、亡父の供養のために息子たちが完成させた。中央の阿弥陀如来は、光源氏の写し顔と伝わる。また国宝の本尊・釈迦如来立像も必見だ。開山の奝然(ちょうねん)上人が中国・北宋より持ち帰り、後に弟子の盛算(じょうさん)が棲霞寺に奉安した。昭和28年からの修復調査では、胎内から中国の貨幣とともに、絹で作られた内臓の模型が発見された。毎年秋の特別拝観(2023年は10月1日から11月30日)では、霊宝館に安置された阿弥陀三尊像や貴重な文化財が観賞できるほか、本堂の本尊も開扉される。

すっきりとした顔立ちの阿弥陀如来は、生前の融を写したといわれる

日野薬師の名で親しまれる法界寺は、本尊の薬師如来像(重文)が胎内仏であることから、安産や子授けなどのご利益があるとされ、古くから女性の信仰を集めている。国宝の阿弥陀堂は、平安時代後期から鎌倉時代にかけ、各地に建てられた典型的な阿弥陀堂の建築様式を今に伝える貴重な建物。堂内には国宝の阿弥陀如来坐像が安置されており、周囲に描かれた天人の壁画(重文)などの細やかな意匠も見ものだ。

法界寺の阿弥陀如来坐像。平等院鳳凰堂とほぼ同時代の作といわれる

制作著作:KBS京都 / BS11

【放送時間】
京都浪漫 悠久の物語
「仏師と訪ねる国宝阿弥陀如来像~仁和寺・清凉寺・法界寺~」
2023年9月11日(月) よる8時~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

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