ここからしか見えない京都
  

神話や伝説に包まれた京都北部へ

日本海に接する京都府北部は風光明媚なスポットが多い。ことに有名なのが宮城県の松島、広島県の宮島と並ぶ日本三景の一つ、天橋立であろう。宮津市の入り江を橋のように結ぶ全長3.6㌔の砂州で、一帯は松が生い茂り、白砂青松の風景が広がる。文殊山にある展望台からは天地を逆さに眺める「股のぞき」で、天橋立が天に舞う龍のように見える「飛龍観」が楽しめる。

日本神話では天と地を結ぶ橋が倒れたという天橋立

さらに北上すると小さな入り江の伊根湾に、昔のたたずまいを残す漁村風景が広がる。湾内漁が盛んだった江戸時代、1階が舟や漁具の格納庫、2階が住居になった漁師の舟小屋として使用されていたものだ。現在はカフェやレストランに改修されているところもあり、休憩がてら舟屋の雰囲気が楽しめる。

伊根町の魅力は景観だけでなく、昔話・浦島太郎の日本最古の伝説が残ることも興味深い。伊根湾の山側にある浦嶋神社は、約1200年前に創建され、万葉集や古事記にも記述が残る古社だ。祭神は浦嶋子こと浦島太郎(筒川大明神)。浦島太郎伝説を物語る神社収蔵の「浦嶋明神縁起絵巻」は、掛け軸式にした絵巻や、玉櫛笥(玉手箱)が宝物資料館で見学できる。

浦島伝説にまつわる雲龍山や布引の滝を眺望できる浦嶋神社

少し離れた福知山市大江町は、漫画『鬼滅の刃』でにわかに注目されるようになった三つの鬼伝説が残る“鬼の町”。大江山の鬼伝説を紹介した「日本の鬼の交流博物館」もある。神秘のベールに包まれた京都北部は、ミステリアスな歴史をひも解く旅がおすすめだ。

旅行読売
(2021年3月号より転載)